1話②
まちこさんが立ち去ったあと、カンカンと大きめの足音が聞こえてきた。ここはもっと静かにするべき場所ではないかと思えてきた。足音はおれがいる部屋の前で止まり、ガラガラと扉を開け、黒い短い髪の白衣を着た女性が入ってきた。女性は扉を閉めて、
「おはよーーーーーーー!!!!」
と大声で言った。あまりの大きさに耳を塞いでいた。そして、なんとなくもらったネックレスを着ていた服にポケットがあったので、そこにしまった。
「おはようございます…?」
よく考えてみたら、白衣を着ているということは、医者なのかな。おれは病気…なのか?
「どうだった?あの子からのメッセージは…?」
なぜか女性はニヤニヤしていた。気持ち悪い。
「はあ…」
「まーいいや。キミはね、記憶喪失なんだよ。それに他に病気も見つかって、今からいつでも治療できるように13階からの''寮''にはいってもらうから。」
なるほど、記憶喪失だったのか。起きる前のことが覚えてないことに納得した。それにしても、何の病気なんだろうか。どうせ、聞いてもわからないんだろうけど。
「ではでは、まいりますぞ~」
どういう路線でいきたいのか知らないが女性はおれに手招きしてきたので、おれはベッドから降りて立ち上がった。
続く