4051の創作

小説頑張って終わらす

1話④

部屋の内装を一言でいえば、ビジネスホテルみたいなかんじだ。壁紙は薄い茶色、ベッドは青色、机や服が入っているであろうタンスは明るい茶色だ(うまく言えないのが残念だ)。

「そういえば、自己紹介してなかったね。ワタシは、キョウ。″今日″じゃないよ」

辺りを見回していると、突然自己紹介をはじめていた。今日と発音が同じ、キョウという名前のようだ。

ふと、机の下の辺りを見ると鞄が置いてあった。何が入っているんだろうと気になって中を見ようとすると、キョウが「なあ、」と声をかけてきた。

「いつの間にか肩くらいの長さの金髪になっているけど。やっぱキミもこっち側だったんだな。」

「…はい?」

キョウはニコニコと嬉しそうに言った。…金髪?あり得ない。ここに来るまでは確かに茶色い髪で短髪だったはずだ。

「この部屋って鏡ある?」

「そこの部屋だよ。」

キョウが指を指した部屋は、洗面所だった。急いで鏡を見ると、確かに金髪で肩くらいの長さになっていた。付け足すと、毛先の方は茶色く残っていた。…でもさあ、

「わあああああぁえええええええええええ?!」

大声を発しながらおどいてしまった。

「確かに急に変わったらワタシもなるわ…」

キョウはやや同情していたが、やはりどこか嬉しそうだった。おれはそれを恨めしく見つめた。

「…あのさ、ハサミある?」

とりあえず、うっとおしい長さなので切ってしまいたかったのだ。キョウは少し考えるようなしぐさをして、

「あると思うけど、この感じだとすぐ伸びそうだよね。」

「そうか…。諦める。」

おれがしょげていると、キョウがドンマイと言わんばかりに肩をポンポンと叩いた。

「あ、もう少ししたら昼食の時間だ。時間になったら案内しにまたここに来るから、着替えとか部屋の整理とかしてなよ。」

「わかった。」

キョウがみた方を見ると、時計の針は11時ごろを指していた。そしてキョウを見ると、キョウは手を振って扉の外へ出ていったのだった。







続く