2話③
「…!ロタリー!大丈夫か?!」
はっとしたおれは、あわててロタリーの元にかけより肩を叩いた。
「………んん…。」
どうやら意識を失っただけのようだ。
「でも、………」
今のはなんだったんだろうか。
「おい!なんか大きい音したけど…って、どうゆう状況?!」
思い切り扉を開いた音で振り向くとキョウだった。思い切り目を見開いていて、驚くのも無理ないと思った。
事情を説明すると、キョウは納得した顔をした。
「それなら仕方ないな。ロタリーには申し訳ないが…」
「仕方ないのか?」
おれが訪ねると、キョウはよくぞ聞いてくれたと言わんばかりにニヤリとしておれを指した。
「そうさ!キミの場合は静電気のようなものが走ってロタリーを気絶させた…。つまり電…いや、雷のエスピリトなのだ!」
「………はい?」
エスピリト、という聞いたことがない単語を耳にしてきょとんとした。キョウはそれも想定内のようで、そのまま語り始めた。
「エスピリトって言うのは、ヒノ君やロタリー、そしてワタシなどここにいる人間すべてが、生まれつきだったり突発的だったりしてなにかしら能力を持っていることの総称だ!」
「…って言っても漠然としてるよね…。ロタリーが起きてくれたらな…。」
キョウはやれやれと頭を掻いた。
「キョウも使えるんだろ?キョウのはどんなやつなの?」
「いや、ワタシのはワタシにしか効果ないから分かりにくい。」
おれが納得した顔をすると、キョウはすまんなと言った。
「ロタリーは、対象のモノの時間を止められるんだ。」
「へぇ~、キョウは?」
「秘密主義なんでね。」
そのあとも何度か尋ねたが答えてくれなかった。
とりあえず、おれの雷みたいに、何か特殊なチカラを持った集団というのはわかった。
続く