3話①
ー再び某院内
「またか!!」
「すみません…」
「これで何回目だとおもってるんだ!」
「ですが…」
「?」
医者からの今日の連絡。また一人誘拐された。対策として二人以上で寝るように人数分けをするようにとのこと。
ワタシはヒノ君とロタリーとかな?着せ替えして遊びたいな。………もちろん、ヒノ君でだ。似合いそうだし。
そんなことを考えながら、14階の階段のそばまで来ていた。
「…ん?この部屋…」
今は使われず、なぜか厳重に閉鎖されたはずのドアの奥に人の気配がした。
「どーしたんですか?リーダー。」
背後から突然話しかけてきたのは、ここの階に入院しているダイという男だ。能力の関係で、記憶は別々じゃないようだが二重人格なのだ。どう別なのかは髪色で判断する。今は…水色。純粋で優しいダイ(白ダイと読呼んでいる)だ。
「ああ、なんかこの奥から人の気配がして」
「あーそれはぼくも思いましたぁー(キリッ)」
ワタシの言葉を遮ったのは白ダイではなく、髪が紫色のウザくて泥棒するダイ(黒ダイと読んでいる)だった。話す内容で突然人格が変わるので少し面倒だ。…特に黒ダイだと。
「どーします~?扉ぶっ壊してみちゃいまスか~?」
控えめに言ってうざい。
「行くならリーダー一人の方がいいッスよね!ぼく鍵開けて帰るッス。」
「そうだな。頼む。」
そういうと黒ダイはニヤリとわらい、鍵を開けて去っていった。ワタシはそのドアのノブをゆっくりとひねった。
続く